その他の耳の病気

耳は、外側から「外耳」「中耳」「内耳」で構成されています。
普段私たちが何気なく使っている「音(声)をきく」という機能を担うだけでなく、身体のバランス感覚を維持する器官でもあります。
耳の異常を感じたときには、お気軽にご相談ください。

難聴

音や声がきこえにくいこと全般を指して難聴と呼びます。外耳、内耳、中耳、また振動を変換して脳に伝える神経など、いずれかの部分で障害が起こると、音がきこえにくくなります。

症状
  • 耳がきこえにくい、きこえない
  • 耳が詰まったような感じがする

【小さなお子様の場合】

  • 呼びかけや音に反応しない
  • 以前よりテレビの音量が大きくなった
治療

難聴を起こす原因となる病気は多々あります。急性中耳炎、慢性中耳炎、真珠腫性中耳炎、内耳炎などがその代表です。また、耳あかがたまったことで起こる難聴や、原因不明の突発性難聴などもあります。
診察時の問診・検査で原因を特定し、お薬や手術による治療、補聴器の活用などで対応します。

外耳炎

耳の穴の入口から鼓膜までを外耳道と呼び、この外耳道に炎症が起こっている状態が「外耳炎」です。

症状
  • 耳の痛み
  • 耳のかゆみ
  • においを伴う黄色っぽい(もしくは白っぽい)耳垂れ

【小さなお子様の場合】

  • 耳を触る
  • 耳を気にする
治療

脱脂綿や吸引器によって外耳道の清掃を行い、その上で点耳薬、抗生物質、ステロイド配合の軟膏の使用により治療します。
外耳道がかゆいからといって、綿棒や耳かきで擦り過ぎないように注意してください。炎症がひどくなったり、拡大することで、治療が長引くことがあります。

内耳炎

中耳のさらに奥、内耳で炎症が起こっている状態が「内耳炎」です。

症状
  • 耳がきこえにくい
  • ふらつき
  • 吐き気
  • 耳鳴り
治療

抗生物質により炎症を抑える治療を行います。特に真珠腫性中耳炎が原因である場合には、手術が必要になることもあります。また、好酸球性中耳炎から内耳障害を発症することもありますので、その場合にはステロイドを使った治療の実施を検討します。

好酸球性中耳炎

40~50代の方によく見られる難治性の中耳炎です。細菌の感染、アレルギー物質によって好酸球の活動が活発化されて起こると言われています。好酸球は、血液に含まれる白血球の一種です。

症状

好酸球性中耳炎になった方の多くが、気管支喘息、好酸球性副鼻腔炎、鼻ポリープを併発しています。
好酸球性中耳炎そのものの症状には、以下のようなものがあります。

  • ゼリー状の液が中耳にたまっている
  • 鼓膜の奥に水がたまっている
  • 粘膜に穴が開いている
  • 鼓膜からはみ出すほどの肉芽の形成
治療

ステロイド剤を用いた治療で、中耳の炎症を抑えます。感染を起こしていれば、抗菌薬を追加して治療します。肉芽が生じている場合には、手術による治療が必要なこともあります。
気管支喘息、好酸球性副鼻腔炎、鼻ポリープを併発している場合には、そちらの治療も必要になります。

メニエール病

内耳にリンパ液が過剰にたまっていることで起こる病気です。代表的な症状に「目まい」があります。

症状

代表的な症状である「目まい」は、持続性がある(20分~数時間)のが特徴です。

  • 回転性の目まい(視界がぐるぐる回る)
  • 耳鳴り
  • 耳が詰まったような感じ
  • 耳がきこえにくい
  • 吐き気、嘔吐
治療

メニエール病の治療においては、生活習慣の改善、内服治療、手術などの方法がとられます。

生活習慣の改善

栄養バランスのとれた食事、十分な睡眠、適度な運動により、ストレスを軽減した規則正しい生活を送ることが、メニエール病の治療に有効です。

内服治療

内リンパの調整を正常化させるお薬を処方し、治療します。強い不安がメニエール病を誘発することもあるため、必要に応じて抗不安薬も使用します。

手術

生活習慣の改善、内服治療を行っているにもかかわらずメニエール病の症状が治まらない場合には、手術を検討する必要があります。「内リンパ嚢解放術」「ゲンタマイシン鼓室注入術」などがあります。

内リンパ嚢開放術

中耳の側頭骨を切開して取り出した内リンパ嚢に切れ目を入れ、内リンパ液を排出させます。その後、ステロイドの粉末を内リンパ嚢の中に入れます。

ゲンタマイシン鼓室内注入術

抗生物質(ゲンタマイシン)を溶かした液体を3日連続で経鼓膜に入れます。身体のバランスをとるための信号を脳に送る内耳内の前庭系の有毛細胞に意図的に障害を起こし、症状を改善する方法です。

目まい

さまざまな病気を原因として起こるケースが多い症状です。自分が回っているように感じたり、周囲の景色が回っているように感じたりします。

症状
  • 目が回る、歪む感覚
  • 頭がフワフワする感覚
治療

メニエール病、突発性難聴、良性発作性頭位眩暈症(BPPV)などを原因として起こる目まいの場合には、その治療を行います。主に内服、点滴などで治療します。

耳管狭窄症

粘膜の腫れなどで耳管が狭くなり、耳閉感(耳が詰まったような感覚)を起こす病気です。

症状
  • 耳の詰まったような感覚
治療

鼻を介して金属製の管を通して耳に空気を送る通気により、症状の改善が可能です。症状が進行して滲出性中耳炎を起こしている場合には、そちらの治療が必要になります。

耳あか

体質や環境などにより量の変化はありますが、耳あかは本来、ある程度自然に耳の外に排出されます。触り過ぎによる炎症に注意しましょう。

症状
  • 耳が詰まった感覚
  • 耳のかゆみ、痛み
  • 耳垂れ
治療

耳あかは、耳の中の皮膚から生じる老廃物です。耳あかは自然に押し出されるものですので、ほとんど耳掃除をしないのに、きれいな方もいらっしゃいます。
ただ、生活環境や耳あかの状態によっては、排出が追いつかずに少しずつたまっていきます。耳あかで塞がれればもちろん、きこえにくくなります。また耳あかから感染・炎症を起こすこともあります。
ご自身での耳かき、綿棒での掃除は、適切に行われれば問題ありませんが、擦り過ぎたり、奥までかいたりすることで、耳を傷つけ炎症を起こすこともあります。
ご自身での耳掃除がご不安な方、もしくはすでに耳垂れなどの症状を起こしている場合には、当院にご相談ください。

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